MSRの携帯浄水器「MiniWorksEX」を購入したので、
早速、川の水を飲んでみました^^;
防災用としても、登山や沢登りなどのアウトドア用としても、
オススメです^^
内容物は、
真ん中の浄水器本体に、
左のホースとカートリッジの洗浄に使うスポンジ、
収納袋と数ヵ国語の説明書です。
右のナルゲンボトルの1Lは付属していませんが、
必須となります。
GWに、和佐又山の渓流釣り場で試してきました。
フィールドはこんな感じ、
綺麗そうですが、そのまま飲むのは、ちょっと勇気が要ります^^;
では、さっそく始めます^^
本体の下に蓋が付いています。
まずは、これを外して無くさないように、
ナルゲンボトルの蓋に取り付けます。
サイズはピッタリです。
次に、本体の下側とナルゲンボトルの口をドッキングさせます。
そして、給水ホースを本体に差し込んで、
給水口のすぐ側に、このようにスポンジがついていて、
上下に移動させて、給水する水深を調節できます。
あまり表層だとゴミが浮いていますし、
底過ぎると砂があるので、10cmほどが基本かと思います。
あとは、ホースの先を水面に投げ込んで、
レバーをシュポシュポ動かすだけです。
動画↓
カタログでは、1Lの水を浄水するのに1分となっていますが、
実際は、2分~3分はかかります。
家庭用の浄水器は、
元々、そのまま飲める綺麗な水道水を
浄水しているだけなので、
ハッキリ言って大した性能は要りません。
そのまま飲んでも、どうもなりませんから^^;
しかし、こういうアウトドア用の浄水器は、
水溜りの水や、お風呂に貯めた非常用の水など、
水道水とはレベルの違う汚水を浄化して、
飲料水に変える為、非常に高性能なフィルターを搭載しています。
この機種では、0.2ミクロンの細かさのフィルターを使用しています。
大腸菌などの細菌類、微生物や寄生虫の卵など、
おおよそ、ウイルス以外のほとんどの有害生物を「ろ過」することができます。
ウイルスは大きさの桁が違うので、
現在の簡易浄水器では除去できません。
水道水でもそうですが、ウイルスの除去には、
通常、薬剤や煮沸による消毒を用います。
アルコールや塩素、次亜塩素酸、ヨウ素、熱湯による煮沸などです。
浄水器のかわりに、上記の殺菌剤を入れて殺菌する方法もありますが、
時間がかかるのと、水の味が著しく変わるので、
あまり実用的ではありません。
しかし、浄水器でもウイルスをまったく除去できないわけではありません。
ウイルスというのは細菌と違い、
単体では存在できない性質があり、
何か他の生物の細胞に寄生して存在しています。
まぁ簡単に言うと、生物の体内(細胞)、咳やクシャミの飛沫などです。
0.2ミクロンの細かさがあれば、
そういったウイルスが寄生しうる大きさの細胞物質は、
ほとんど「ろ過」されているので、
ウイルスも、それに引っ付いたまま「ろ過」されます。
どうしても、心配な場合は少し煮沸すれば、ほぼ安全です。
もし、浄水器を使用しないで、煮沸だけで飲料水とする場合は、
20分~30分は沸騰させた方が良いとされています。
これは、ウイルスが寄生している細胞の内部まで、
しっかり熱湯消毒する必要があるからと、
ウイルスより、遥かに高等生物である細菌類は、
熱への耐性も遥かに強いからです。
まぁつまり、浄水器を使えば、煮沸しなくても、
ほぼ心配のない飲料水が手軽に手に入るし、
煮沸するにしても、一瞬でいいので、
大幅な時間と燃料の節約になるということです。
ただし、水に完全に溶け込んでいる化学物質などは除去できません。
例えば、海水の塩分とか、農薬などは当然無理です。
お茶やコーラで試してみると、かなり色が薄くなるそうですが・・・
まぁ日本の河川で、そんな場所はあまりありませんし、
普通の人は、そんなところの水を、そもそも飲もうと思わないので、
その心配は、ほとんどないでしょう…
では、実際どういった水を「ろ過」して使うことが想定されるでしょうか。
➀湧き水
湧き水は、ほぼ無菌状態で噴出するため、
そのまま飲んでも大丈夫な場合がほとんどです。
ただし、近くに農薬や化学物質による土壌汚染が
ある場合は、どうやっても飲むことができません。
有名な登山ルートにある湧き水や、
名水百選などの場所は、
市区町村が定期的に水質検査を行っていますので、
浄水、煮沸はしなくても、ほぼ安心して飲めます。
②沢水・清流の水
これが非常に微妙なところです。
魚なども生息しているし、一見綺麗に見えます。
しかし、湧き水と違い地上を流れているので、
動物や虫の死骸、山小屋の汚水などから、
病原性大腸菌、A型肝炎ウイルス、寄生虫、原虫(アメーバ、クリプトスポリジウム etc...)
インフルエンザウイルス、
重金属、農薬、化学物質の流入も考えられます。
実際、昨年の夏には山形県で沢水を使った「流しそうめん」を食べた
47人が食中毒になった報道もありました。
http://yamagata-np.jp/news/201507/25/kj_2015072500531.php
予防するには、地図を見て上流の環境を確認し、
浄水器の使用や煮沸を行う必要があります。
③雨水、汲み置き水
災害時に、お風呂などに汲み置きした水や、
高山の山小屋など販売されている天水(雨水)は、
塩素などの消毒成分がないため、
病原菌、ウイルスが繁殖している可能性が高いです。
化学物質の混入はないので、
浄水器、もしくは煮沸して飲めば
まず問題ありません。
④一般河川
これは沢水よりも、ほぼ確実に上流に人の生活環境があるので、
よほどのことが無い限り、飲むことはないでしょう^^;
確実に病原性大腸菌などは検出されます。
しかし、多摩川の水を浄水器や煮沸で殺菌して、
飲んだ実験例も多々あり、
適切な処理をすれば、飲めないこともないのも事実です。
農薬などの化学物質も微量は検出されますが、
数回飲んだぐらいでは、健康被害が起こる量ではありません。
人間がどうにかなる農薬類が混入した場合、
先に魚類が死滅しますし、
当然、大問題になります^^;
結論は、魚類などの生息している環境下の水は、
「ろ過」「煮沸」すると、ほぼ飲料水にできるということです。
逆に言えば、何もせずに、
そのまま飲んで安全と言い切れるのは、
検査を受けた「湧き水」ぐらいということになります。
少し話がそれましたが、
ですので、家庭用の浄水器と比べると、
ろ過するのに、時間と労力がかかります。
とはいえ、この機種の場合、
レバー操作がしやすいので、女性や子供でも、
2~3Lは、そんなに疲れないで浄水できると思います。
元々、僕は非常にお腹が弱く、
飲料水には結構気を使っています。
登山を始めたころに、セイシェルというメーカーの携帯浄水器を購入して、
最近までメインで使ってきました。
500mlのペットボトルぐらいの大きさで、
本体を絞ると、上部の口から浄化された水が出る簡単な仕組みです。
性能も良く、同じく0.2ミクロンのフィルターを使用しているようです。
沢水や、山で水場の水を、
ちょっと飲むのには便利なんですが、
例えば、山のキャンプ場や、災害時の非常用など、
数リットルの水をまとめて浄水したいときには、
この絞るタイプのやつは、
すごく時間と労力がかかります。
本体をギュッと押すのは大人の男性でも結構大変で、
↑この2.5Lのプラティパスを満たそうと思うと、
ヘタしたら2、30分かかります。
腕はしんどいし、疲れた体には、
かなり苦痛です^^;
その点、こういう本格的なやつは、
10倍近いスピードで浄化できます。
その分、重量もありますので、
ケースバイケースで使い分けるのが良いかもしれません。
このMiniWorksEXは、総重量が456gです。
つまり、500ml浄水すれば重量の元は取れます。
はりきって、勢いよくポンピングしまくっていると、
ナルゲンボトルを持った手が濡れてきました・・・
あれ?接続部分がおかしいのかな?
っと思ったのですが、
どうやら、強い圧力をかけ過ぎると、
ナルゲンボトルが圧力で破損したり、
フィルターに水を無理な圧力で通し、
浄化能力が低下しないように
圧抜きの弁がついているようです。
つまり、想定外の圧力がかかると、自動的に接続部分から、
水を逃がす仕組みになっていました。
ここの部分に、別売のホースを買って差し込むと、
ナルゲンボトルの1L以外にも水を貯めていくことができるようです。
給水側のホースも同径なので、
少しなら、それを切って使ってもいいですね。
ひと口、味見しました。
まぁ、ほぼ無味無臭の普通の水です^^;
後々、お腹も痛くなりませんでした^^
お昼ご飯のカップラーメンも、この浄水した水で食べました。
まぁ当然ながら、普通に美味しかったですw
先ほども書きましたが、浄水器自体の重さが456gありますので、
飲料水が1Lぐらいで足りるような山行なら必要ないと思います。
しかし、
水で戻す食事を二回ほどして、飲料水も計算に入れると、
まぁ1Lでは足りないでしょうから、
常に、そばに水があるような渓流釣りや、
沢登りでは、かなりの軽量化になるかもしれません。
それと、僕みたいにお腹が弱い人や、
山の水をそのまま飲むのはちょっと・・・・っていう人、
あとは、最近もありましたが、大規模災害のときの備えですかね。
カタログでは、この付属のフィルター1本で、
2000L浄化できるとなっています。
2Lで100円の安いミネラルウォーターでも、
2000L=1000本(2L)=10万円です。
そんなに備蓄できないですから、こういうので代用する方も
多いそうです。
今回の熊本の地震災害でも、自衛隊の給水車が出てましたが、
かなり塩素を効かせてるんでしょうけど、やっぱり給水車の水を
そのまま飲食物に使うのは、僕はちょっと抵抗があります^^;
そういうときにも、役立つかもしれません。
MSRからは、もう一つ携帯用の「SWEET WATER」という機種が発売されています。
価格もほとんど同じで、フィルター除去性能も同じです。
重量は、「SWEET WATER」の方が100gほど軽く、
サイズも少し小ぶりです。
ナルゲンボトルと接続するタイプではなく、
そのかわりに、ホースが出ています。
この機種とかなり迷いました^^;
最終的に決めたポイントは、ホースが2本だと、
乾かしたりするのが、面倒だろうということと、
接続せずに、ボトルを保持しながらポンピングするのは、
大変そうだから、少し重くてもMiniWorksEXにしました。
フィルターの「寿命」もMiniWorksEXが約2倍です。
まぁでも、正直どっちでも良かった気がしますが^^;
あと、MiniWorksEXに接続できるのは、
ナルゲンボトルの1Lとなっているのですが、
モンベルから発売されているCamelbak(キャメルバック)の
全サイズと口が合いました。
僕はメインで、このハイドレーションを使っているので、
これは結構助かります^^
あと、プラティパスによく似た折りたためるタイプのナルゲンボトルも
発売されていて、
こちらも口のサイズが合うそうです。
プラティパスに比べて、口が大きいので、
中の掃除や乾燥がさせやすいのが良さそうですね^^
ちょっと高いけど^^;
ということで、以上
MSR MiniWorksEXのインプレでした。
フィルターの清掃記事は、また次回使用した時に・・・・
ではぁ~
1 件のコメント:
解りやすくて参考になりました。フィルターのメンテナンス方法とゲージを使った寿命の判定方法も書いてあるといいですね!
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