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2021年8月25日水曜日

剱岳「早月尾根ルート」試練と憧れ

久しぶりの北アルプス!

剱岳「早月尾根ルート」に一泊(テント泊)でチャレンジしてきました。



〜「剱岳」〜 岩と雪の殿堂

剱岳から流れ出る早月川

剱岳(つるぎだけ)は、北アルプス北部の立山連峰に位置する山で、標高は2,999m

最終氷期に発達した氷河に削り取られた氷食尖峰で、万年雪を携えたその峻険な山容は「岩と雪の殿堂」とも称される。

また、谷川岳、穂高岳とともに、日本三大岩場に数えられている。



「日本百名山」の著者、深田久弥は『北アルプスの南の重鎮を穂高とすれば、北の俊英は剱岳であろう。層々たる岩に鎧われて、その豪宕、峻烈、高邁の風格は、この両巨峰に相通じるものがある』

と記している。


〜「早月尾根ルート」〜 北アルプス三大急登

別山尾根ルート カニのタテバイ

剱岳へ登る一般登山道は2つのみ。

一つは、アルペンルート(ケーブルカー、高原バス)を利用し、立山の2450m地点にある「室堂」から雷鳥沢〜剣御前〜剣沢を経て、別山尾根から登頂を目指す「別山尾根ルート(べっさんおね)」

別山尾根ルートで登ったときの記事はコチラ


もう一つは、標高750mの馬場島から、早月尾根という山頂まで一直線に伸びる長大な尾根を登る「早月尾根ルート(はやつきおね)」。高低差は2378m、北アルプス三大急登の一つとされる。

どちらのルートも、終盤は急峻な岩場を登ることとなり、日本百名山のグレーディングでは最高難度に分類されている。

今回は、後者の「早月尾根ルート」で登頂を目指した。


〜「試練と憧れ」〜

早月尾根ルートの登山口「馬場島(ばんばじま)」には、宿泊施設の馬場島荘の他に無料のキャンプ場と無料の駐車場がある。

車中で4時間ほどの仮眠をとり、AM.8:00 登山開始。


駐車場から5分ほど歩くと、「剱岳鎮魂の社」が現れる。

ここは剱岳で亡くなった方々を弔う施設で、毎年6月には開山式典も行われるらしい。



敷地内には有名な「試練と憧れ」の石碑が建っている。



観音さまに手を合わせ、亡くなった方の冥福を祈り、無事に帰ってこれるようにお願いしました。


「馬場島〜早月小屋 」いきなりの急登


早月尾根ルートは、健脚な方であれば日帰りも可能な剱岳への最短ルートですが、

僕は到底不可能なので、通常通り2,200m地点にある早月小屋のテン場にて一泊の予定です。


【行程】 

8/20 馬場島〜早月小屋

8/21 早月小屋〜剱岳山頂〜早月小屋〜馬場島



初っ端から、急登階段地獄で、心拍数は爆上がり・・・。

時折、フィックスロープを掴んで登る箇所もでてきます。



登山道の傍らには、立派な「立山杉」が何本もそそり立っていますが、写真を撮る余裕はなし。



今回も行動食はコーラグミ。コレに勝る行動食はなし!美味い!(ハリボーがオススメ)


1時間ごとに小休憩をとりました。



ほぼ全て樹林帯なので、常に眺望が良いルートではありませんが、ときどき木々の間から富山市内、富山湾までが見渡せます。

標高1,400m地点、約半分登ったところで突然の雨・・・。

以降、早月小屋まで写真を撮る余裕もありませんでしたorz


〜「早月小屋」〜 水が1000円

登り始めてから約6時間、やっとのことで早月小屋へ到着。

休憩1時間として、ほぼコースタイムぐらいでした。雨+テント泊装備にしては結構頑張ったんじゃないかな・・・。



テント泊の手続きを済ませ、ついでに水を購入。


2Lのペットボトルが1000円・・・。


うちの近所のスーパーで確か48円だったような気が・・・。

1000円なんて砂漠のオアシスなみの値段ですよね。しらんけど。

北斗の拳のバットの故郷の気持ちがわかった気がする。

(※尾根上なので水場がなく、ヘリで運搬しているので高いらしい。)


テント泊 1人1000円

テン場は小屋から近く、すでに10張りほど先客がいる模様。

雨が小降りなうちに我が家を建てます。



今回、初お目見えの「トレックライズ1」

デビュー戦が雨とは実力を試すのにもってこい。ダブルウォールの実力とやらを見せてもらおう。

レビューは、また後ほど・・・。





雨で特にすることもないので、2時間ほど仮眠。

夕方、外がにぎやかなのでテントから出てみると、雨がやんで西の空が真っ赤に染まっていました。


富山湾 能登半島まで見える

これが見れただけで、すべてが報われた気がする。

この後、また雨・・・。

山頂にアタックするかは翌朝の天候次第ですが、天気予報ではイマイチな感じ。

ほぼ諦めモードで眠りにつきました。


〜「剱岳登頂」〜

AM.4:00 起床。雨はやんでいる。

天気予報では薄い雲がかかっているが、これぐらいなら降っても小雨っぽい。
なんとか行けそうな気がする・・・。

バタバタと準備をして、AM.4:30に出発した。



山頂まではコースタイムで約3時間半。

標高差は約750mほどである。標高2600mを越えた辺りから小雨が降り出し、また写真を撮る余裕がない。



2700mを越えると鎖場の連続

路面が濡れているので滑らないように慎重に歩を進め、カニノハサミという難所を越えると別山尾根との分岐が現れた。そこから5分ほどで祠が見えてくる。



AM.7:30  剱岳「早月尾根ルート」登頂。

残念なことに視界はゼロ。まぁ小雨が降る中、無事登頂できただけでも良しとしよう。

ザックに入れてきた無印良品の「不揃いバナナバウム」を2本食べることにする。


このバウムクーヘンはシットリして食べやすく、なんと一個あたり450kcalもある。

もちろん味もGOOD。

ゆっくり食事をとれない山行にもってこいのアイテムなのだ。



一息ついたら下山開始。のんびりしている暇はない。

なにしろ、今日はこの山頂から標高差2,378mを一気に下らなくてはならない。


早月小屋が見えると一安心

踵を返し、元きた道を黙々と下ること約2時間半。

無事に早月小屋に到着。テントを撤収し、軽食を摂ったら即下山。

ここからが長い・・・・。



PM.3:30 途中、足を滑らせ一回転して藪の中に突っ込むも、優しい後続の方の助けもあってなんとか無事に馬場島まで下山できました。

鎮魂の社に感謝を伝え、

あらためて「試練と憧れ」の意味を噛みしめたのでした。



山行の詳細は、ヤマレコに投稿してますので、
こちらを御覧ください。



- DATA -

Camera : RICOH GR2

Photo Edit : Adobe Lightroom Classic CC


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