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2019年10月15日火曜日

北アルプス「穂高連峰」〜Photo Gallery〜


2019.10.5〜7

紅葉シーズンピークの穂高連峰へ登山に行ってきました。

日本一と云われる「涸沢(からさわ)」の紅葉を御覧ください。



関連記事:

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岩と雪の殿堂「剱岳」〜Photo Gallery〜



山行の詳細は、ヤマレコに投稿してますので、

こちらを御覧ください。


https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-2056568.html




上高地(かみこうち)


上高地は「日本のスイス」とも云われる美しい山岳景勝地。



穂高岳と槍ヶ岳の雪解け水が水源の清流「梓川」。



2時間ほど歩くと、僕の敬愛する作家「井上 靖」氏の名著「氷壁」の舞台となった宿「徳沢園」に到着。

緑豊かなキャンプ場も併設されている。



横尾からは登山


徳沢園から2時間ほど歩くと「穂高岳」と「槍ヶ岳」への分岐点となる「横尾」へ到着。

ここまでは平坦な道だったが、ここから先は登山道となる。



「本谷橋」を渡ると、ここから先は急登。



穂高連峰が見えてきた。



振り返ると日本最大級の岩山「屏風岩」が見える。

「ナナカマドの赤」「ダケカンバの黄」「ハイマツの緑」見事なコラボだ。

帰りには、あの尖った頂上にも寄る予定。胸が高鳴る。



涸沢カール


穂高連峰に囲まれた日本有数の氷河圏谷で、穂高岳登山の基点となる場所。

誰が言ったか知らないけれど「山の仲間の合言葉は、"涸沢カールで会いましょう"」と云われている。

みんなが愛し集う場所なのだ。



日本一の紅葉は諸説あれど、「涸沢」が5位以内に入らないことはないだろう。

今回はここでテントを張り2泊する予定。



紅葉シーズンの週末ともなれば、

日本全国から、登山者や写真愛好家が集まってきて、一大テント村ができあがる。

ここまで片道7時間・・・標高差1000mの道程。

それほどまでに、涸沢カールの紅葉は美しく、人の心を掴み離さないのだ。



涸沢名物「テントの宝石箱」

紅葉と共に、これもカメラマン垂涎の的。



涸沢には立派な山小屋が2件あるので、テントがなくても大丈夫。

ただし、紅葉シーズンは満員なので要注意。



穂高連峰 - 縦走登山


翌朝、アタックザックに厳選した装備を詰め込んで、まずは「北穂高岳」を目指すことにした。



上り始めて15分ほど・・・

振り返ると、右に少し雪が残る「涸沢カール」の全貌がハッキリと見える。

テント場はもう米粒ほどに。



道は徐々に険しさを増していく、

垂直の鎖場やハシゴを上り、約3時間ほどで「北穂高岳」山頂に到着。



北穂高岳(3106m)


北穂高岳は穂高連峰の最北端にそびえる日本第9位の山。


大キレット

主稜線は南北に起伏し、南は岩を踏んで涸沢岳へ、北は大キレットを隔てて南岳、中岳、大喰(おおばみ)岳、槍ヶ岳へと続いている。


滝谷

北穂高岳といえば、西側斜面の「滝谷」に尽きる。

日本において超一級のロッククライミングゲレンデであり、かつて、名案内人といわれた上條嘉門次をもってしても「鳥も止まれねえ」と嘆かせた悪絶な岩壁である。


槍平キャンプ場

新穂高温泉〜槍ヶ岳の中間地点に位置する「槍平キャンプ場」から、この滝谷が見ることができる。

左上に見える、変わったカタチの岩が「滝谷ドーム」と呼ばれる岩峰。


北穂高岳 〜 涸沢岳


一般登山道ではあるが、ナイフリッジや垂直の鎖場が2時間ほど続く上級者コース。



アップダウンの激しい稜線を進んでいく。

飛騨側は滝谷を有する断崖絶壁であり、涸沢側も落ちれば、生きては帰れない急勾配のガレ場である。



気持ち良い秋風が吹き、涸沢の紅葉が眼下に広がる。



恐怖心と高揚感が重なり合い、夢中で岩と格闘した。



北穂高岳〜涸沢岳間でもっとも低いコル。その名も「最低コル」。



ここから「涸沢槍」と呼ばれる尖った山頂までが、一番の難所。



ファンタジーの世界に迷い込んだような幻想的な風景。



ライチョウ


後ろに見える背の低い松「ハイマツ」の中から、姿を現したライチョウ。

茶色い夏毛から、真っ白な冬毛にかわろうとしている。

日本国指定の特別天然記念物であり、国内希少野生動植物種(種の保存法)の対象でもある。



涸沢岳(3110m)


涸沢岳は奥穂高岳と北穂高岳の間にそびえる日本第8位の山。

ここまでくれば、ゆっくり休憩のできる「穂高岳山荘」まであと少し。



正面に、奥穂高岳とジャンダルム、眼下に穂高岳山荘が見る。

穂高岳山荘でランチタイムをとって、奥穂高岳へ向かうことにした。



穂高岳山荘 〜 奥穂高岳


最初に急なハシゴと鎖場がある。

そこを越えると、あとは大したことのない岩場。

ここから見ると右に見えるジャンダルムのほうが高く見えた。山頂が細いからだろうか・・・



振り返ると先程の涸沢岳もよく見えた。



奥穂高岳(3190m)


穂高連峰の主峰。日本第三位であり、北アルプスの最高峰でもある。

剱岳、谷川岳と共に日本三大岩場に数えられている。


奥穂高岳 前衛峰ジャンダルム

奥穂高岳より南へ伸びる痩せ尾根は、前衛峰のジャンダルムを越え西穂高岳を経て、焼岳へと連なる日本屈指の難コースである。



涸沢へ帰還


穂高岳山荘〜涸沢キャンプ場へは、「ザイテングラード」と呼ばれている岩場を通過しなければならない。

そんなに難しいコースではないが、人の往来が多く落石が多発するので、ヘルメット推奨地域となっている。

(ちなみに、今回の山行のルートでヘルメット推奨ではないのは、上高地〜横尾〜涸沢間だけである。)



紅葉が美しい涸沢と屏風岩。

奥には、均整のとれた美しい形の常念岳、少し右にはなだらかな山体の蝶ヶ岳もハッキリと見渡せた。



穂高連峰のアーベントロート


アーベントロートとは、夕焼けが山肌に反射して山が赤く見える現象。

年間を通じ見られるが、よりきれいな赤色に染まるのは、秋から冬の期間であることが多い。

語源はドイツ語:Abendrot abend(夕方)とrot(赤)を掛け合わせたものと云われている。



幻想的な色に染まっていく穂高の峰々。



今日一日、命がけで縦走した穂高の山々。

「涸沢の紅葉と穂高のアーベントロート」

美しい・・・感無量。



山で飲む珈琲は最高の一杯


冷たいビールも最高だが、10月ともなると夜はかなり寒い・・・

温かい珈琲と甘いお菓子は、疲れて冷えた心身を癒やしてくれる最高のアイテム。



パノラマコース


最終日、夜明けと共にテントを片付け、帰路の準備をした。

午前8時に涸沢を出発。

「パノラマルート」というのは、涸沢〜屏風岩を結ぶ景観の素晴らしいバリエーションコース(一般登山道ではない)。

積雪期は原則通行止めで、無雪期も午前9時以降の出発は自制するようにと書かれている。



穂高連峰の峰々はガスで見えないが、涸沢の紅葉は一望できた。



前穂高岳の斜面をトラバースするようなコースで、

危険箇所は、鎖ではなくフィックスロープがメイン。

今回はテン泊装備で通ったが、できれば小屋泊装備が望ましい。



確かに景色は素晴らしいが、

ここも大怪我では済まないルートなので、雨天時や自信のない方にはオススメしない。



屏風岩


前穂高岳から北東に伸びる稜線の先に一際大きく切り立った岸壁がある。

これが国内最大と云われる垂直の岩壁で、クライミングのメッカとしても名高い「屏風岩」である。


屏風岩の頭

「屏風のコル」にザックをデポして、「屏風岩の耳」へ登った。

天気が良ければ、槍ヶ岳が見えるが今日は駄目だった。



昨日登った穂高連峰はガスの中。

涸沢カールの紅葉とハイマツの緑が美しかった。

ザックをデポしたコルまで戻り、あとは上高地まで黙々と降りた。




屏風岩の頂上付近にこんなものが置かれていた。

1974年に、このあたりで亡くなられた坪井繁代さんという方の慰霊碑のようだ。

消えかけた文字をよく見てみると、こう書かれていた。


「山への情熱は永遠に」


山の仲間が贈ったのだろうか・・・良い言葉だな。

山でも海でも、何だっていい、胸の奥に秘めた情熱をいつまでも持ち続けたいものだ。




今回の行程


総距離 37.54km

標高差 上り 3242m  /  下り 3242m




- DATA -

Camera : RICOH GR2

Photo Edit : Adobe Lightroom Classic CC

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