2018年6月8日金曜日

空はどこまでも青く、僕らは底抜けに明るかった (細田京香)


紹介したい本があります。

本当にここ数年で一番読んで欲しい良著です。





関連記事:

実録 ほくろからみた陸軍少年飛行兵 「えっ。そうなの!?」 著者:細田京香

祖父の終戦体験 - 少年飛行兵 (前半)

祖父の終戦体験 - 少年飛行兵 (後半)




僕が2012年に書いた「祖父の終戦体験」を縁に文通をさせて頂いている


細田さんが新刊を出版されました。


構想から5年をかけて書き上げられた370ページの大作です。




発売前に送っていただけたので、


早速、読ませていただきました。


2012年に出版された


実録 ほくろからみた陸軍少年飛行兵 「えっ。そうなの!?」 


のリメイク版とのことでしたが、


今作は前作に増して綿密な取材を重ね、


隊員だった方々の入隊の経緯から


訓練、戦闘、終戦、戦後、当時の思いや今の心境など、


いろんな資料と共に赤裸々に綴られているノンフィクションです。




このような貴重な資料も掲載されていて、


当時の様子を知る大変貴重な作品です。




終戦から70年以上が過ぎ、


実際に戦争を体験された方々は、かなりの高齢になっておられます。


何年か前に「永遠のゼロ」という作品が話題になりましたが、


あのような美談のフィクションは巷に多く出回っています。


それを通して当時の戦争について見識を深めるというのも


間違いではないと思いますが、


当事者が語る話を超えるものはないと思います。




余談ですが、


10年以上前に島田紳助さんが、


とある講演会で、こんなことを話されていました。


「人は頭で覚えようとしたことはすぐに忘れてしまうが、


心で覚えたことは一生鮮明に覚えている。」


例えば、同窓会で久しぶりにあった友達と昔話に花が咲くとき、


当時の顔の表情や一言一句まで鮮明に思い出せ、


最近のことのように生き生きと話せますよね。


しかし、頑張って勉強したはずの教科書の内容は全く思い出せない・・・


前者は心で記憶し、後者は頭で記憶したのです。





ー抜粋ー


「私が以前まとめた橋井さんの冊子を見て「これは戦争体験ではない。

本当の戦争はもっと苦しく悲惨なものだ」という趣旨のことを

二人から言われたことがある。

その方々が戦中生まれならそう言われても仕方ない。

でも戦後生まれで体験がないのなら「悲惨なもの」と言い切れるのか。

もちろん私も戦争中の悲惨な話は理解している。

戦後もとても書き尽くせない大変なご苦労があったからこそ、

今日の日本があると思う。

しかし、そんな中でも夢と笑いはあった。

時代に関係なくそこには希望にあふれた10代の若者がいる。




この本の中には、


当時の笑い話や、今の私達ではごく当たり前の買い物や


食事についても事細かに取材され書かれています。


70年以上の月日が経っても


鮮明に憶えてらっしゃるということは、


激動の日々の中でも


心で記憶する楽しい出来事も多々あったということです。


戦争体験は全て悲劇でなければならないといったような


風潮が戦後の日本にはありますが、


この本を読んで、今の若者と同じような


笑いや夢や希望にあふれた若者が、時代に翻弄されながらも


一生懸命生きていたということをひしひしと感じました。




ー抜粋ー


仲間内ではアメリカ兵のことを「アメちゃん」と呼んでいた。

実際に出会ったことがないので憎い相手ではない。

遊撃に上がった人から、アメリカの飛行機には

女性の絵が描いてあると聞き「アメちゃんもなかなかやるな」と思っていた。





僕らがテレビや映画によってすり込まれた日本兵のイメージが


少し変わりませんか?


このような、当時は言えなかった思いや出来事がたくさん紹介されています。




僕の拙い文章力では本の魅力を書ききれません(^^;)


ぜひ、手にとって読んでみてください。


深く心で記憶される良著です。


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