2012年1月19日木曜日

祖父の終戦体験 - 少年飛行兵 特攻兵(前半)

今年で祖父が亡くなってから17回忌をむかえます。

僕は祖父母と同居していたので、

幼少の頃から本当によくかわいがってもらいました。

その祖父の戦争体験を忘れないうちに記しておこうと思います。





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僕の祖父は、昭和2年に熊本県で生まれ、

幼い頃に父が亡くなったため母は祖父をおいて再婚し、

父方の祖母に育ててもらったのでした。

昭和18年10月に陸軍少年飛行兵に志願し合格。

故郷をあとにし、福岡県の太刀洗陸軍飛行学校(乙種第15期)に入校します。




少年航空兵とは、陸軍少年飛行兵(少飛)と海軍飛行予科練習生(予科練)の二つがありました。

詳しくはリンクをご覧下さい。

簡単に言いますと、操縦士になるには長い訓練と適正が必要となるので、

子供のうちから英才教育をほどこして、

早く一人前の操縦士を育てるというのが目的です。

祖母一人に育てられた祖父としては、

自ら志願し、早く祖母に楽をさせたいとの思いからなのでしょう。




そして、昭和19年4月に上等兵として大刀洗陸軍飛行学校目達原教育隊に配属、

同年8月15日に佐世保を出港し、

19日に昭南島(シンガポール)セレター港に上陸、

翌日、空路でジャワ島バンドンに到着し、

第36教育飛行隊に編入したのでした。




配属されたのは現在のインドネシア、ジャワ島東部で、

オランダの植民地であったこの地を

1942年のスラバヤ沖海戦で勝利した日本軍が占領し統治をしていたのです。




祖父は、ここで終戦直前までの約一年間駐留していました。

乗務していた飛行機は「三式戦闘機 通称を「飛燕(ひえん)」という

当時日本の最新の戦闘機で戦前、戦中合わせて日本で唯一の液冷エンジンを搭載し、

(ドイツのダイムラー・ベンツDB 601メッサーシュミットが搭載)のライセンスである(ハ40)

そのため日本軍戦闘機として、唯一高度10000m以上を飛ぶことができたそうです。




 三式戦闘機 飛燕 三式戦一型甲(キ61-I甲)


予断ですが、日本の戦闘機で有名なのはなんと言っても「ゼロ戦」。

正式名称は「零式艦上戦闘機(れいしきかんじょうせんとうき)

名前の由来は昭和15年に迎えた皇紀2600年が元になっています。

つまり零式というのは00年式ということで、

そして艦上ということは船、空母に艦載されているということ、

つまり海軍の戦闘機です。




祖父が乗った三式はそれから三年後昭和18年(皇紀2603年)に

正式採用された戦闘機で陸軍なので、

そのまま三式戦闘機と名づけらたようです。



零式艦上戦闘機 零戦二二型(A6M3)


話を戻します^^;

祖父が配属された昭和19年には、

日本の戦況も悪化し、翌年5月には同盟国のドイツが無条件降伏。

「日本一国」対「連合国軍」という大変厳しい状況におかれていました。




その戦況を打開すべく海軍からはじまった特別攻撃隊は、

祖父の所属する陸軍にも波及し、たくさんの同僚が若い命を散らせていったのでした。

特攻隊とは有名な「神風特別攻撃隊(この名称は海軍のもの)」と同じで、

飛行機で敵の空母、戦艦、基地、航空機などに

自らぶつかり攻撃するという生還することを考えない

捨て身の攻撃部隊です。




バンドンで約一年間を過ごした祖父は、

終戦間際の昭和20年8月、

ついに「特別攻撃隊(特攻隊)」へ加わることになりました。


水杯を交わす特攻兵

(二度と会えないかもしれない別れのときなどに、 互いに杯に水を入れて飲み交わすこと。)




祖父らの部隊の全32機は指揮官「市来中尉(いちきちゅうい)」と共に、

8月1日に北方転属要員として、

バンドンから昭南島(シンガポール)へ向かいました。

当時は沖縄がすでに玉砕し、

次は、九州へ上陸してくることが予想されていましたので、

陸軍は、鹿児島県南部の「知覧」

海軍は、同じく鹿児島県南部の「鹿屋」から特攻を行っていました。




そして8月8日に小南島から北に2300kmのカンボジアプノンペンまで移動。






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